叢書 | SONORAMA NOVELS(ソノラマ文庫創刊30周年記念企画) |
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出版社 | 朝日ソノラマ |
発行日 | 2005/08/30 |
装幀 | 加藤直之、二階堂龍吏(くまくま団) |
本作の進化のあらすじ
かつて 「機械獣ヴァイブ」 シリーズとして、『獣黙示篇』・『獣地底篇』・『獣誕生篇』・『獣転生篇』の四冊が刊行されたところで中断されていたものが、実に20年後に 「未来獣ヴァイブ」 として改題、加筆・訂正して完成を見たのが本作です。 以下、あらすじを簡単に紹介します。
【獣黙示篇】
高校生の北条充は、自分の中に邪悪で獰猛な獣が潜むという悪夢に悩まされていた。ある日、瀬戸内海で漁をしていた船が、獣の顔を刻んだ巨大な銅鐸を引き上げる。その時、充の中の獣が蠢き始めた。
【獣地底篇】
父親殺しの容疑をかけられ、警察に追われる身となった充は、父の遺したテープを頼りに、瀬戸内海の黒牛島へと逃げ込む。そこで充は、古代吉備王朝の謎と、自身の出生の秘密を知ることになる。
【獣誕生篇】
黒牛島の地底で、充はついに機械獣ヴァイブと遭遇する。一方、充を捕らえようとする謎の組織が島に殺到し、壮絶な戦いが繰り広げられる。そんな中、ヴァイブは怒濤と共に姿を現し、圧倒的な力で自衛隊の護衛艦を沈めていく。
【獣転生篇】
ヴァイブが東京に上陸し、都心に静寂が訪れる。しかしそれは、獣の変態の始まりに過ぎなかった。ヴァイブの真の姿が明らかになる時、人類に未曾有の脅威が襲いかかる。
そして、上記四冊合本プラスαとして、
【未来獣ヴァイブ】
「獣転生篇」で中断されていた物語は、「未来獣ヴァイブ」として20年ぶりに完結を迎える。加筆・修正によって、より緊迫感溢れる展開となった本作は、序盤の伝奇SFから一転、本格的な怪獣SFへと姿を変える。さらに、時間SFとしての要素も加わり、物語はクライマックスへ。ヴァイブの真の目的が明かされ、少年充の運命も大きく動いていく。そして、エピローグで明かされる衝撃の事実。それは、人類の未来に何をもたらすのか――。約20ページに及ぶ書き下ろしの結末は、本シリーズに相応しい壮大な終幕を飾っている。
この物語の最大の魅力は、作者の豊かな想像力と緻密な設定の数々にある。ヴァイブのルーツを古代吉備王朝にまでさかのぼらせ、瀬戸内海の島々や東京を舞台に、時空を超えた冒険が繰り広げられる。そこには日本の伝統的な要素と現実世界を先読みしていたとしか考えられないSF的発想が見事に融合している。
長年の重圧を解き放ち、ついに完結を見た傑作長編。豪華絢爛な想像力と緻密な世界観、哲学的な問いかけが散りばめられた、まさに山田正紀の可能性を存分に発揮した一大ロードノベルである。
シリーズ情報
叢書 | ソノラマ文庫 |
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出版社 | 朝日ソノラマ |
発行日 | 1985/12/30 |
装幀 | 加藤直之、矢島高光 |
叢書 | ソノラマ文庫 |
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出版社 | 朝日ソノラマ |
発行日 | 1986/10/31 |
装幀 | 加藤直之、矢島高光 |
出版社 | ソノラマ文庫 |
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出版社 | 朝日ソノラマ |
発行日 | 1987/06/30 |
装幀 | 加藤直之、矢島高光 |
出版社 | ソノラマ文庫 |
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出版社 | 朝日ソノラマ |
発行日 | 1988/06/30 |
装幀 | 加藤直之、矢島高光 |
叢書 | SONORAMA NOVELS(ソノラマ文庫創刊30周年記念企画) |
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出版社 | 朝日ソノラマ |
発行日 | 2005/08/30 |
装幀 | 加藤直之、二階堂龍吏(くまくま団) |