叢書 | FUTABA NOVELS |
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出版社 | 双葉社 |
発行日 | 1988/11/10 |
装幀 | モンキー・パンチ、菊地信義+岸顯樹郎 |
収録作品
- 第一話 七面鳥、登場
- 第二話 七面鳥、ジルバを踊る
- 第三話 七面鳥、料理される
- 第四話 七面鳥、ロールプレイ・ゲームになる
- 第五話 七面鳥、百万ドルの夜景を盗む
- 第六話 七面鳥、最後の挨拶
1. 「七面鳥危機一発」の概要とあらすじ
作品の全体像
「七面鳥危機一発」は、山田正紀が1980年代に発表した連作短編集であり、ユーモアたっぷりの怪盗譚と哲学的な要素が融合した独特な一冊です。怪盗「七面鳥」が奇想天外な依頼を次々と引き受ける中で繰り広げられる6つの物語が収録されています。
収録作品:
- 「七面鳥、登場」 怪盗七面鳥が初めて世に名を知らしめたエピソード。彼の魅力的な人物像とユーモラスな性格が際立つ作品。
- 「七面鳥、ジルバを踊る」 派手な舞踏会で繰り広げられる大胆な盗み。ジルバのリズムに合わせた七面鳥の鮮やかな活躍が見どころ。
- 「七面鳥、料理される」 怪盗が料理に巻き込まれるというシュールな設定がユニーク。笑いの中に鋭い風刺が光る一篇。
- 「七面鳥、ロールプレーイング・ゲームになる」 ゲームの中に入り込むという斬新な展開。現実と虚構の境界を揺さぶるストーリーが印象的。
- 「七面鳥、百万ドルの夜景を盗む」 香港を舞台にした派手なエピソード。スリリングな展開と異国情緒が堪能できる。
- 「七面鳥、最後の挨拶」 連作の締めくくりとして、七面鳥のキャラクターの本質に迫る感動的な一篇。
2. 作品のテーマと山田正紀らしさ
「七面鳥危機一発」のテーマは、一見ユーモラスで軽快に描かれていますが、その背後には山田正紀らしい哲学的な問いかけが潜んでいます。「盗む」という行為を通じて、人間の欲望やアイデンティティの揺らぎを描き出す手法が秀逸です。
山田正紀の特徴的なスタイル
- ジャンルの枠を超えた物語構成 一般的な怪盗譚やミステリーとは異なり、ユーモアだけでなく社会風刺や存在論的な要素が取り入れられています。
- キャラクター造形の妙 怪盗七面鳥は「善」と「悪」の境界を曖昧にしつつ、どこか憎めない魅力を持っています。彼の行動が読者を引きつけるポイントのひとつです。
3. ユーモアと深みが同居する物語
読後感として、「七面鳥危機一発」は単なるエンターテインメントに留まらず、読者に深い思索を促します。特に「七面鳥、最後の挨拶」では、それまで軽快だった物語に突如として重厚感が加わり、山田正紀の作家性が色濃く表れます。
モンキー・パンチによるカバーアートの影響
モンキー・パンチによるイラストは、本作の雰囲気をさらにユニークなものにしています。その画風は「ルパン三世」を連想させるものであり、読者の期待感を高める要因となっています。
4. まとめ:怪盗七面鳥の魅力を語り尽くす
山田正紀の「七面鳥危機一発」は、ユーモアと深みが融合した傑作連作集です。軽快なストーリーの中に、哲学的なテーマや社会風刺を巧みに織り込む山田正紀の技量には脱帽です。怪盗七面鳥の活躍をまだ味わったことがない方には、ぜひ一読をお勧めします!
文庫・再刊情報
叢書 | 双葉文庫 |
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出版社 | 双葉社 |
発行日 | 1991/03/15 |
装幀 | モンキー・パンチ、鈴木邦治 |