機神兵団6

機神兵団6
-要塞都市-

滅びの風が吹くルッチェランド、機神の咆哮が歴史を変える!

2025年2月16日
2025年2月16日

機神兵団6 初版書影

叢書 C☆NOVELS
出版社 中央公論社
発行日 1992/09/25
装幀 ひろき真冬

あらすじ

ルッチェランドの危機

ナチスドイツは東欧の小国ルッチェランドへの侵攻を目論む。彼らの狙いは、国内の反ナチス勢力を焚きつけ、混乱を利用して完全支配することだった。そのために、反政府派の象徴であるマリアンヌ王女を抹殺しようと企む。

機神兵団はすでに日本軍の指揮を離れ、独自の目的で戦い続ける一団となっていた。彼らはシベリアを経由してルッチェランドへ到達し、マリアンヌ救出作戦を開始。しかし、彼らを待ち受けていたのは、ナチスの誇る新型兵器「新時代」。装甲騎士団のプロトタイプとして開発されたこの巨大ロボットは、従来の戦闘兵器とは一線を画す恐るべき性能を誇っていた。

竜神 vs. 新時代 ― 巨神の激突

作戦の最中、竜神は川を潜行しながら敵地に侵入。しかし、仕掛けられた機雷により右足を損傷し、機動力を失ってしまう。満身創痍の竜神に襲いかかるのは、新時代――ナチスが誇る最新鋭の装甲騎士。絶体絶命の状況の中、竜神は知恵と技術を駆使して反撃するが、ついに力尽きる。

しかし、そこへ駆けつけたのは雷神。竜神の窮地を救うべく、新時代との激突に挑む。一方、風神は逃亡したルッチェランドの独裁者を追跡し、戦場を離れた機関車で死闘を繰り広げる。

人間ドラマと戦争のリアル

本作の魅力は、単なるロボットバトルに留まらず、戦争の混沌と人間のドラマを深く描いている点にある。ルッチェランドの民衆はナチスの脅威に怯え、祖国を守るために必死に抵抗する。しかし、敵の圧倒的な戦力の前に無力さを痛感する場面も多い。

また、登場人物たちの心情も巧みに描かれている。

  • 榊大作と因縁深い関東軍の喬間少尉
  • 白蘭花を標的としながらも時に助ける殺し屋・劊小手
  • 真澄公彦の前に立ちはだかるナチスのグリム&ヤーコブ兄弟

彼らの関係性が複雑に絡み合い、戦場の人間模様をより深みのあるものにしている。

機神兵団6の魅力

1. 戦争とロボットの融合

戦記モノのリアルな戦闘描写と、SF的な巨大ロボットバトルの融合が秀逸。本作では特に「新時代」との戦闘シーンが白熱している。

2. 多層的なストーリー

ナチスの策略、機神兵団の決断、ルッチェランドの運命――それぞれが絡み合い、単純な勧善懲悪では終わらない物語となっている。

3. 魅力的なキャラクターたち

機神兵団のメンバーはもちろん、敵側のキャラクターたちも強烈な個性を持ち、物語に深みを与えている。

まとめ

『機神兵団6』は、戦争の混沌とロボットバトルの魅力を見事に融合させた作品だ。新たな敵「新時代」との激突は、本シリーズでも屈指の名バトルと言えるだろう。ルッチェランドの命運を賭けた戦いの結末を、ぜひその目で見届けてほしい。

文庫・再刊情報

機神兵団6 文庫書影

叢書 ハルキ文庫
出版社 角川春樹事務所
発行日 2000/05/18
装幀 三浦均、芦澤泰偉